2018年7月21日土曜日

ibasso IT04 購入レビュー(音質編)

開封編に引き続き、音質についてのレビューもしていく。





※エージング約30時間



箱出し直後の音は、特に高域が荒ぶっていてAMP4の全帯域において量のある音だとかなりうるさかったが、エージング20時間程度で落ち着いてきたような気がする。

以下の3つの帯域ごとにまとめてみた。
・低域は良くも悪くも音源に忠実で締りはあまりない。かと言ってボワつくこともないので不満はないけど満足ではない、みたいな。録音の状態が良い生音の音源を聴くと、生っぽくツヤを感じられる。ゴンゴンくるような重低音は少ないというか皆無に近いので、全体的にあっさり系の音になっている。
・中域は見通しがよく量も適切。ボーカルが不自然なほど近くもなく、埋もれるほど遠くもないので、声量のある曲を聞いても声がベタッと耳に張りついている感じがなく、抑揚も含めたボーカルの表現力は高いと感じる。一般にボーカルが近いとされているイヤホンや、低域が少ないイヤホンに比べると相対的にボーカルが遠く聞こえるが、上述のように表現力ではIT04のほうが優秀である。この帯域の解像度と量はイヤホン全体のクリア感に影響しそうで、Mitchell Limitedは中域が若干こもるのが気になったが、IT04はそれがない。ギターなどの弦系の楽器の艶が素晴らしく、非打ち込み系の曲との相性が非常に良い。ピアノ系は録音の状態にも寄るがやや太めに表現される傾向にある。
・高域はこのイヤホンの唯一の弱点で、伸びや抜けが良くない。解像度も普通で特筆すべきところはないが、シンバルの残響の表現が荒く不自然に感じた。(SednaEarfitのせいみたい)鈴モノや鉄琴系の音は気持ちよく刺さる。

このイヤホンの売りを簡潔に表すなら、「バランスのいいイヤホン」ということになると思う。

帯域以外について
・音場は奥行き方向に広く、左右にはやや狭い気がする。AMP4は音場が明らかに左右に広く以前使ってたイヤホンでもそう感じられたが、IT04では左右と奥行き方向のどちらが広いかは明確に感じられなかった。言い換えると、以前は音場が左右に長い楕円形だったのが、IT04では円(球)形に近い。IT04の音場が単に奥行きが広くなったのかそれとも左右の音場が狭くなったのかは、現在はっきりと聞き取ることは出来ていない
追記:音場は全体的に広くはない。ただボーカルの距離が絶妙なので、奥行き方向の音場感は十分にあると思う。

・純正ケーブル、イヤーピースについて
付属純正ケーブルのCB12sは、解像度と特に低域の沈み込み(重量感)が足りず、高域の押出し感も平面的なので、リケーブルを推奨する。自分が現在使っているのはオーグライン+ptの自作ケーブルで、解像度と低域のどちらも改善された。試してはいないが、純銀または純銀入りのハイブリットケーブルなんかも合うかもしれない。
イヤーピースはSednaEarfitがおすすめで、音に立体感が生まれる。ただイヤピのステムが長いのでMやLサイズだと筐体が耳から大きくとび出るので注意。高域がキツい場合は、ステムの根本まで無理やり押し込んで音導部の長さを調節するといいかもしれない。自分はMを使用しているが、機会があればSも試してみたい。
追記:Sだと高域が伸びないので、Mで音導部を調節するか、SpinfitのLがいいと思う。
装着感はSpinfitが一番悪く、ほぼイヤーピースだけで筐体を保持するので硬いケーブルを使うと落ちやすいかもしれない。


最後に環境を。
環境:DX200 AMP4(比較にAMP1も使用)
使用音源: SUNDAY/瀧川ありさ
                  赤いスニーカー/〃
                  ひとつだけ/ClariS
                  SHIORI/〃
                  冬空花火/〃
                  ルミナス 2017ver/〃
                  アルペジオ/水瀬いのり
                  BLUE COMPASS/〃
                  

以上。雑レビューにお付き合いいただきありがとうございました。

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