前回はアルテのローマ字入力について取り上げたので、今回はターンフリックについて取り上げる。
通常のフリック入力はキーに対して上下左右の4方向のみだが、ターンフリックは通常のフリックの終点から別方向に切り返して(=ターンさせて)文字を選択する。それにより、濁音や半濁音、拗音の入力の際にいちいち別のキーを入力しないで済むため、通常のフリックよりもタップする回数を減らせるという利点がある。以前紹介したアルテのローマ字入力も拗音や拗長音が1スワイプで入力できる点は同じだが、スワイプの距離が長くなってしまう欠点があった。ターンフリックは通常のフリックを拡張したもので、スワイプに比べて指の移動距離が少なくて済む。
ターンフリックの種類
アルテでは、1回のタップで入力できる文字の種類によって入力方法を選択できる。- TFSi…濁音・半濁音(び・ぴ)
- TFBi…拗音・拗長音(ひょ・ひょう)
- TFEi…濁音・半濁音を含む拗音・拗長音(びょう・ぴょう)
通常のフリックだと、「し」「゛」「よ」「小文字」「う」の5タップ必要になるが、 アルテだと1回のタップで入力できる。 |
ターンフリック以外の機能
アルテの核となるターンフリックは上記の3タイプあり、これと以下の機能を組み合わせることでさらに入力がしやすくなる。- トリムフリックによる促音・濁点の入力(12キー部分に向かって外部からフリック)
- スワイプ削除とカーソル移動(削除キー左右スワイプでBSとDel、矢印キースワイプでカーソル移動)
- 「な」フリックで英数キーボード切り替え
これらの他にも、
- Google CGI APIを用いたクラウド変換(変換キー長押し)
- カタカナに直接変換(変換キー上フリック)
総評
このIMEを使い始めて数年経つが、iOS版がないのが悔やまれる。iPadでソフトウェアキーボードを利用する時に、フルキーボードだと入力がしやすいが画面を大きく占有してしまうので利用シーンに合わせてフローティングモードも多用している。その時にかなフリックを使っているが、濁点や小文字の入力が非常にストレス。一応ターンフリックに類似するカーブフリックが使える「flick」がiOS向けにあるが、アルテのTFEiに比べると一音単位での1タップ入力ができないのが不便。現在アルテは通常版と先行版がありどちらも有料アプリとなっていて、先行版では擬似的にフローティングキーボードに対応しているなどの違いがある(キーボード以外の背景を透過させているだけなので、その部分はタップできない)。先行版はAndroidアプリの中でも高額な方だが、それだけの価値があるIMEだと思う。
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