2024年2月11日日曜日

超低遅延ワイヤレスイヤホン Anker Soundcore VR P10

ゲーム用にも十分使えるワイヤレスイヤホン


付属のドングルはイヤホンケースの上蓋の奥に収納して持ち運べる

ワイヤレスイヤホンの欠点

ワイヤレスイヤホンと有線イヤホンと比較したときに、ワイヤレスイヤホンの欠点として挙げられる項目として、音質、バッテリー、遅延、紛失などがあるが、個人的に最も重要視するのは遅延で、次いで音質だ。音質はEQである程度ごまかすことができるが、遅延に関しては特にFPS/TPSなどの対人シューティングゲームにおいて明らかな欠点となってしまう。

基本スペック

ワイヤレスイヤホンとしてのスペックは以下の通り。
防水規格 IPX4
Bluetooth ver / コーデック 5.2 / AAC・SBC・LC3
バッテリー 本体 6H / Max 24H
ANC
ワイヤレス充電
一般的なワイヤレスイヤホンとしてみると、ワイヤレス充電やANCに非対応で機能的とは言えない。その分、ドングル接続に対応していることからゲーム機能に極ぶりしているイヤホンと言える。

ドングル接続時に超低遅延

このイヤホンの大きな特徴は、Bluetoothによる端末との直接接続の他に付属のドングルでも接続でき、その場合は有線との違いがわからないほどの低遅延で接続できる。付属のドングルと接続したときのコーデックはLC3というあまり聴き馴染みのないコーデックだが、音質の割に低遅延、低消費電力を見込めるものとなっている。最近ではXperiaやPixelなどのスマホでもアップデートによって対応し始めてきているがまだまだ対応機種が少なく(イヤホン側も)、恩恵にあずかれることが少ない。そういったときに、ドングルで接続できるのは非常にありがたい。ただ、本機種がLC3で利用できるのは専用ドングルとの接続時のみのようで、スマホ側がLC3対応機種であってもLC3接続したい場合は専用ドングルを使用するしかない。
この手のドングルによる低遅延接続は、スマホやタブレット等に接続すると充電ポートを埋めてしまうという別の問題が生じる。それに対して、本機種のドングルはUSB-C充電のパススルーに対応しているため非常に便利だ。ただ一つの欠点は、出力がPD2.0 5V2A/9V2A とあまり出力が高くないことだ。
PDOは5V2Aか9V2Aのみ

音質

音質について、個人的にはリスニング用途には厳しいと感じた。全体的に抜けが悪く、音場が狭い。イコライザーで弄ってみたもののあまり改善はしなかった。通常のイコライザとは別に、ゲーム専用のイコライザーのようなものとして「スーパーヒアリングモード」(FPSなどのゲームで足音や銃声を強調させる)があり、それをつけてみると左右方向への音場は広がるが前後方向は狭いままで、さらに高域が変に刺さるようになってしまう。LC3接続とSBC/AAC接続時の音は若干LC3の方があっさり薄めな印象だったが、音の傾向自体は前述の通りで大きな差はない。SBC/AAC接続であればリスニング用途に使えるとは言えない。一方、ゲーム用途としての利用で考えてみると、足音や銃声の方向定位も距離定位も慣れでなんとかなる範囲であると感じた。FPSに特化した有線イヤホンなどの定位と比べてどれぐらいの差があるかはわからないが、おそらく良くも悪くもない部類に入るかと思う。

遅延

遅延は音質と異なりLC3の方が明らかに優れている。実際の遅延を測定するのは難しいが、iPadでの音ゲー使用ではタイミング設定をスピーカー使用時と同じでプレイしてみても違和感がなかった。FPSでの使用感については、振り向いたときに周囲の銃声や環境音の定位が一瞬甘くなるが、ギリギリ使用できるレベルだと感じた。振り向いたときと言っても、真横とかそれ以上にフリックするといった素早い場面で一瞬音が追いついていない感覚がするぐらいで、SBC/AAC接続時のような射撃音と発射エフェクトがずれるといった致命な遅延はない。

アプリ機能


イヤホンの側面のタッチパッドの動作、イコライザ、ライティングなどの設定ができる。タッチパッドの感度が非常に高く誤爆しやすいのですべての操作をオフにしたいのだが、オフにできるのはシングルタップのみでダブルタップと長押しは無効化できない。オフにできないのであれば操作音があるとわかりやすいが、それもないので誤爆しているのかどうかすらわからない。
ドングルは最大4つまでと切り替え接続ができ、ドングル単品で販売しているのはとても良い。ドングルへ接続中に他のドングルへ接続し直すには、このアプリから手動で切り替える必要がある。

総評

ワイヤレスイヤホンとしては音質や機能に難ありといったところだが、リスニング方面の音質にこだわらないゲーム用途としては十分に使える。同様の他メーカーの製品では3万程度することを考えるとコスパもよい。

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